XXCLUB大島育宙のほざくこと

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「テラスハウス」最強説

皆さんは「テラスハウス」を知っていますか。
 
男女6人の台本のないシェアハウス生活を追う、という体裁のリアリティー・ショーです。
存在は知っているが、ちゃんと観た事がない人も多いのではないでしょうか。
 
私はこの番組が2010年代に生まれた最高のコンテンツの一つだと確信しているし、できるだけ多くの人が視聴して話題にしてくれることで、少しでも長くこの番組が続けばいいと願っています。
時間のない方は太字部分だけ読んでください
 
 
 
 
テラスハウスがなぜ面白いかと言うことを一言でまとめると「テレビドラマとして楽しむとあまりにもお得だ」ということです。
 
以下、いくつか具体的に説明してみます。
 
 
 
続編が自動生産されるドラマ
 
好きなドラマの最終回は悲しいけれど、第2シーズンが始まったり映画化されたりすると、もう一度ドラマのキャラたちに会えるような気がして嬉しいですよね。
 
テラスハウス」のメンバーのほとんどは卒業してからもSNSで発信を続けていて、彼らの人生を追うことができます。芸能活動をしている人も多く、卒業後、彼らの本業での活躍をメディアで目にする機会も多いです。
 
あくまで「テラスハウス」は彼らの人生というドラマのほんの一部に過ぎず、続編やスピンオフ作品は、彼らの人生が続く限り自動生産され続けると言えます。
 
好きなドラマのキャストを他の作品やSNSで見ることができるのは普通ですが、そのドラマの役柄のままということはないでしょう。
 
ドラマのファンにとってこれ以上贅沢なことがあるでしょうか。
 
 
 
見たことのないキャストばかりのドラマ
 
普通にTVでドラマを見ていると、どうしてもお馴染みのキャストが多く出ていて、それぞれの役柄に先入観を持ちます。
 
俳優さんが今までのイメージを覆すような役作りをするのも面白いですが、それだって先行するイメージが前提にあるわけです。
 
しかし、現実の人との出逢いの多くは予備知識ゼロの状態で起こります。
現実と同じようにドラマの人間関係に没入するなら、見たこともない俳優陣で固められた、それでいて映像に低予算感がないドラマや映画があっても良いと思うのですが、「テラスハウス」以外にはほとんど実現された例はありません。
 
 
 
ロケ地が全て本物のドラマ
 
映画やドラマの撮影では、現実の土地を舞台にする場合、撮影許可を得るのが難しいからか、似たような別の場所でロケをすることが多くあるようです。
例えば新宿・歌舞伎町を舞台にした映画のエンドロールを注視していると、地方都市の歓楽街がクレジットされていることがよくあります。
 
しかし、テラスハウスではそうはいかない。渋谷でも湘南でも、主人公が行く場所が全て本当のロケ地になる。
 
ロケ地の数だけ見てもドラマとしては驚異的だし、しかもそれが全て現実の土地で撮られていることを考えると、こんなに貴重なことはないです。
 
 
 
上記①〜③の条件を満たす豊かなドラマは他に存在しないと断言できます。
自分の好きな映画・ドラマでこれが実現されたら、と思い浮かべてみてほしいです。
 
 
 
これらの魅力はどれも「現実と地続き」である(っぽい)ことに依拠しています。
そして、ドラマとしてのテラスハウスの本編が劇的で虚構的であればあるほど現実との見かけ上の距離は大きくなります。
 
虚構と現実が地続きであることの感動は、その飛距離に比例するので、
 
・「カット割りが恣意的で嘘くさい
 
・「美男美女がはしゃいでいるのが非現実的でいけ好かない
 
といったよくある批判は、私にはむしろテラスハウスの魅力を補強する声に聞こえます
 
つまり、虚構と現実が地続きであることで感動させるならば、
 
・映像は嘘くさければ嘘くさいほど、キレイならキレイなほど良く、
・現実との繋がりは、多ければ多いほど良い、
 
ということになり、その二つを最もストロングスタイルで突き詰めているコンテンツがテラスハウスだと言えます。
 
 
 
E.T.』でも『トイ・ストーリー』で泣ける我々は、設定がフィクショナルだとしてもそこにある感情が本物であれば感動できることを知っています。
 
一見すると非現実的な世界が我々の住む現実と地続きであれば感動できるのは当然であり、その「地続き」のポイントは感情でもいいし、実在の土地や人物であってもいいはずです。
 
現実を撮ってるはずなのに虚構みたいじゃん」ではなく、「虚構みたいなのに実は現実なんだね」というのがテラスハウスを百倍楽しむ秘訣だと思うので、百聞は一見に如かず、食わず嫌いの方は是非一度ご覧下さい。
 
以上
 
 
 
 
※12月19日から新シリーズがNetflixで配信されています。
入居者は全員新メンバー、内輪ネタはほぼ皆無なので、見始めるなら今がチャンスです。